お車は日産のモコ(スズキのMRワゴン)です。
出かけようとして、いつもの通りエンジンを始動させようとしたら、うんともすんとも言わないということでどうにもならなくなり当社にお電話いただきました。
最初はバッテリーが上がってしまっただけかと思いジャンピングの準備をして現地へ・・・
到着してエンジンを始動させようとしましたがやはり何も反応がありません。救援車につなげてジャンピングしてみてもやはり何も反応がありません。
ですが悪戦苦闘の末、数十分後エンジンスタートボタン(最近の車の主流になっているプッシュスタートボタンです)を押したりしていたら、突如かかりました!
お客様に聞いてみるとやはり何回か押してみたら始動したり、しばらくしてからやってみたら無事に始動したりしたそうです。
そのままお預かりして工場まで運びました。
エンジンが始動できない場合、大体の不具合候補があります。
1.バッテリが弱っている。
2.セルモーター(スターターモーター)の不具合
3.火花が飛んでいない
4.燃料が出ていない
5. イグニッションスイッチの不具合
6. その他
現地でエンジンが始動して、工場まで戻ってこれたので、1.3.4は候補から消えると思います。注)時々ダメになる場合はありますが絞り込む関係上ここでは候補から消しました。
次に2ですが、動くかどうか確かめたいのですが4WDの為、点検するのに時間がかかってしまいますので後回しにしました。
残るは、5と6になります。
5ですが、プッシュスタートのお車のため外して、導通や電圧の点検をしましたが大丈夫のようです。
あとは6ですね。
色々点検していく中で気づきましたが、メーター内のスマートキーの警告灯が何故かずーっと点灯したままなのと、なぜかキーをOFFにしたときのハンドルロックがかからないことに気づきました。
10回中2回はハンドルロックがかかるのですが、あとはハンドルロックがかからない状態でOFFの状態なのにハンドルが回る状態でした。
ハンドルロックがかかっている時はエンジンが始動でき、ハンドルロックがかからない時はエンジンが始動できないようです。
調べてみると、ハンドルロックがかかってないことを車が検知するとエンジンがかからない仕組みになっているそうです。
逆にハンドルロックが解除できないときもエンジンが始動できない仕組みのようです。
ハンドルのコラムカバー(プラスチックのカバー)を外して作業していきます。
今回はハンドルを外さず分解していきます。
話はそれますが、よく車屋さんは分解のことをバラすといいますが、あまりいい言葉ではないので私は使いません(バラす=殺す)
私は分解という言葉を使います。
ユニットは盗難防止のため、特殊なボルトで止まっています。知らない方はサンダーでボルトを切って外しますが、削りカスも出て室内が汚れるので私は別の方法で外していきます。
あれこれやって、スムーズに外れました。
こちらが今回不具合が出た部品になります。
調べてみると、リコール対象の部品になっているそうですが、このお車は対象外ですので、実費交換となってしまいました。
盗難防止のため特殊なボルトで固定し、分解した部品を元に戻して取り付けは完了です。
なお、イモビライザー付きのお車のため最後に登録作業があります。
ただ単に、エンジンスイッチを押すだけの作業なのですが注意事項があるそうで、いきなりエンジンを掛けると認識されずに失敗するそうです。もしそうなってしまったらまた新しい部品を付けなければなりません。
画像のような注意書きがありまして、いきなりエンジンをかけずにプッシュボタンを押してONの状態まで持っていくのがコツだそうです。
また、バッテリー電圧が低いと失敗しますので、今回は別の車にジャンピングケーブルを付けて保険をかけた状態で実施しました。
うまく認識され無事エンジンがかかるようになりました。
今回は運がよくハンドルロックが解除されっぱなしでの状態だったので、工場まで運び込むのが楽でしたがロック状態が解除されない状態だったらもっと大変でした。(現地でロックを解除して、積載車で入庫させなければならなかったので・・・)
この故障はよくあるそうなので、もしこのような事例がありましたら参考にしていただきたいと思います。
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